ごろうさん、がんですって

すい臓がん、肺がんの術後に、ココロとカラダの充実生活を目指します。

もしかしたら

もしかしたら、自分は脱毛がないのかな?なんて思っていたけれど、3回目の点滴以降、少しずつ髪が抜け始め、やがて洗髪の時にまとめてドバッと抜けるようになった。

活動性の高いガン細胞をやっつけるために、同じく活動性の高い毛髪や造血細胞もダメージを受ける、、やはり自分も例外ではなかった。

あらかじめ、髪を短くカットしていたけれど、この抜け方はホラーショーだよ。

だんだん息苦しさが出てくる。

胸の苦しさ、動悸もする。

苦しいけど、狭いアパートを飛び出して外で大声を出したくなる。

気持ちが悪く食事が進まない。

強く鼻をかんだ時にタラーっと鼻血が出て、なかなか止血しない。簡単に出血するのは本当に驚いた。

指先や爪の黒色変化が気になるくらいになってきた。

肘から先、膝から下が熱いお風呂に入った時みたいにビリビリする。

点滴2クール目に入って、白血球数の低下が著しく、とりあえず一回お休みとなった。本当は自分から無理です、と言うつもりだった。


抗がん剤治療は身体を削りながら成立するということを実感する。

これを繰り返していくと思うと暗くなる。


近くのお寺にお参りに行く事も少なくなった。寝てばかり。

だって本当に動きたくない、

動けない。

退院と外来化学療法

二週間の入院で点滴を2回実施。熱は下がったけれども身体の重さはあまり変わらず。
心配な脱毛の気配はまだ無い。


当初の予定通り退院が近づく。看護師さんと外来の化学療法のオリエンテーションを受ける。朝イチの採血、結果を待って医師の診察、ゴーサインが出たら点滴の流れ。丁寧でわかりやすい説明に何とかなりそうな予感。


問題は、朝のラッシュだろう。今やオタクの街となった電気街を通って通院しなけらばならない。座れることは無いし、手すりのポジションを取るのも楽では無いかも。
杖があった方がいい。すぐに通販で杖を買ってみた。ついでに父の分も買ったが、電話口で父はカッコ悪いからいらない、、と不機嫌に。見栄はってるだけでしょ。




じぶん、50歳ぎり手前で杖?
でもこの関節の痛みなら杖をついて歩く方がいい。自分でもびっくりするけど、抵抗は全然ない。
病気と向き合う、なんて立派な事は言えない。正直言って不安だらけ。この先どうなるの?どれだけ生きられるのかな?
ちょっと油断すると心配で涙が出てくる。


とにかくどんどん時間は進んでいく。

不安と感謝

37度台の熱と気持ちの悪さ、ズンと重い関節と筋肉の痛みは続いて、抗がん剤治療に身体がびっくりしているのを実感する。とにかく寝てばかり。


昼過ぎに奥さんが来て、夕食後に帰って行く。

忙しいからもう帰っていいよ、という気持ちと、もう少しいてほしいという気持ちが混ざって、まるで子供みたいにぶっきらぼうな態度をとってしまう。夜の駅に向かう彼女に、毎回病室の窓から手を振って見送っていた。

もちろんどこにいるのかなんて見えないけど。

夫のガンに動揺しているはずなのに、いつも優しく穏やかでいてくれる。とにかく感謝なのです。


夜は2時間おきにトイレに行き、オキノームもらおうか考えながら寝てしまうパターンが多かった。